塾の仕事

塾の仕事の一番いいところは自由にやれるところだと思う。縛りがない。ただ当たり前だが、塾生がいないとおまんまが食えない。塾に入るのも自由だしやめるのも自由だ。時々辞める子もいるが、無理に引き止めない。塾生に聞くと辞めると言うと、かなりしつこく引き止めにかかる塾があるらしい。

でも、辞めたいといってるような子供が、塾に来ても学力がつく確率が低いと思う。学力を上げてなんぼ、受験で受からせてなんぼ、その対価をいただく仕組みである以上、やる気がない子や塾に合わない子を引き止めたところでお互いが不幸になるだけだろう。

アメリカ大統領のケネディが、消費者の4つの権利の中で選択する権利をあげている。選択する権利があることが大切だ。選択される側が、選択されることを当たり前と考えると、競争原理が働かず、サービスの内容や技術を改善しようとはしないだろう。競争がないと選択する権利がないのと同じだと思う。

塾は、競争原理の中にさらされているから、塾も生き残りをかけて努力する。そうでない塾は、つぶれるしかない。自分も、一度たりとも安心したことなどない。これでいいのだろうかとか来年はどうなのか考える。安心したらおしまいだと思う。サービスの質を高めるしかない。危機管理ができていないと簡単に塾はつぶれる。受験と一緒だ。危機管理ができるかどうかは大きいと思う。

塾生が、大きく学力を伸ばし、合格したりするとうれしい。塾の場合指導する時間が限られている。どうしたらもっと成績を短時間で効率よく、学力をあげられるかをずっと考えてきた。考えれば考えるほど、やることは多くなるから不思議だ。飽きずにやれる秘訣だと思っている。

塾の選択は、人生の選択という面もある。塾に来て人生が変わったと言ってくれる子が、たまにいる。安易に塾は選択するものではないし、塾も進化し続けないとどうしようもないと思う。

子供は、教育の仕方と働きかけで大きく変わる。塾は、大工さんと同じで技術屋だと思う。伸ばす技術の高いほど生き残る可能性が高い。今は子供がどうだ、能力がどうだとはあまり考えないようになった。

伸ばす技術がないと、子供の能力のほうにベクトルが行き、評価は得意だが、伸ばすことはできない。子供は、自分もそうだが、いちいちガミガミ言われてやる気を起こすものではないと思う。やり方と方向性を示して、がんばったら伸び、伸びたらほめる。自分らを越えたらますますほめる。

やりもしないしやる気のないのは説教をする。しても変わらないこともある。子供は、やる気と素直さが大切だ。これがないとなかなか伸びない。

塾の仕事は、伸ばしてなんぼ、受からせてなんぼ、そういう単純で純粋なところがいいところだと思う。成果が出ないとき、子供のせいにすると進歩がとまる。どこか改善するところはないかと考えるようにしている。