大学入学共通テストの解説の続きです。
今回は,国語です。
科目の性質上,客観的な説明だけでなく当塾の見解を含んだ記述をすることをご了解ください。
赤字下線部が変更点などの注意を要する点です。
大学入試センターの公式発表としては,国語総合,現代の国語+言語文化が出題範囲とされています。
しかし,実態としてはこれらの発展学習的な科目(論理国語など)の学習も想定した出題となっており,出題範囲が明確には存在しません。
なお,現代文の漢字は常用漢字(2136文字,本ブログ国語編を参照)の中からの出題となります。
① 現代文(リンクに誤りがありましたので訂正しました)
「出題範囲」は,6単位相当(注1)から11単位相当(注2)へほぼ倍増となります。
学習時間換算で,175時間の増加となります。
また,大学入学共通テストの開始とともに,「実用的な文章」も出題される予定でした。
大学入試センターからは,架空の行政機関が作成した資料や契約書,法律(リンク先ファイルの13ページ),規約や新聞記事が出題例として示されていました。
ただし,2024年の試験まではこのような問題は出題されていません。
2025年の試験からは現代文を1問増加して配点を変更すると公表されたことと出題例が新たに示されたことから,「予定」がようやく実行されると思われます。
新聞記事はともかくとして,行政機関が作成した資料や法律は日常的に目にすることが少ない上に独特の言い回しがありますので,かなりの訓練が必要となります。
そもそも,大学入試センター(広い意味での行政機関)の公表資料を読んだ上で理解している生徒が少ない事がこの解説を書いている理由なのです。
注1 国語総合のうち2単位分,現代文Bの4単位を合計した。ただし,現代文Bは現代文Aの内容を含む科目である。
注2 現代の国語の2単位,言語文化のうち1単位分,論理国語の4単位,文学国語の4単位を合計した。
② 古文・漢文
「出題範囲」の変更はないと思われます。
ただし,現代文の単位数の増加の「しわよせ」で古文・漢文の学習時間が圧迫されている可能性がありますので,受験生は各自で対策を考える必要があります。
「古文・漢文や文学的な文章の学習が圧迫されると懸念している有識者が多い」ことが報道されています。