浪人しても簡単には伸びない

都会の有名予備校にいた子が,浪人を重ねても受からず、この塾に戻ってくる子がいる。そういう子は、医学部受験組が多い。医学部とか高校時代にいなかの高校で,トップクラスでも簡単には受からない。そうでない子が、合格数とか名前に釣られて,有名予備校に行く。そういうケースは多い。

そもそも有名予備校のトップのクラスとか、何かの間違いで受験に失敗したのではないかという子がごろごろしている。そして,寮費を除けば、ほとんど無料の場合がある。指定校推薦があって、某鹿児島の私立など無料で入学できる予備校がある。つまり、受かりそうな基礎力と能力を持った子が、有名予備校の実績を作っていく。そのままほっといても受かるような子が多い。

特待制度は、できる子のための制度だが、ほとんど何かしら特待を乱発している予備校もある。特待をもらっていない子が少ないという不思議な現象もある。

だいたい大学入試というのは、高校3年間いや小学4年生からの基礎力の積み重ねがものを言う。1年で偏差値が、10も20も上げないと受からないような大学を,普通の授業形態とか自習だけで、自分の志望校に合格するのは、確率がどのくらいか想像できないほうがおかしいのではないだろうか。

1年などあっという間だ。極端な話,最低3年分を1年で仕上げるようなやり方で学習しないと合格はむつかしいとおもう。基礎を高速で入れ込んで、受験校の問題を個別に相当演習しないと受からない場合が多いとおもう。何が受験勉強なのか分かっていない人が多いような気がする。自分も受験指導をやりながらやっと分かったことも多い。やり方まずいと受からない。

時々相談を受けることがあるが、たいてい大手の有名予備校に行って失敗して戻ってくるか,行きたくもない私大に行って悩んでいる子が多い。無理に受験は薦めないことが多い。なぜなら精神が相当やんでることが多いのだ。

学力は、基礎の十分な入れ込みをしないと伸びないのだ。浪人生といってもピンきりなのだ。現役で受かったと言っても狙うレベルが違えば、浪人生のほうが学力は上というのはざらだろう。何かの間違いとか、調子が悪くて落ちたとか、医学部とか運がなくて落ちたとか、すごい実力者がいっぱいいる。受験は運が作用することも否定できない。だから受験は、怖いのだ。

自分の塾のような小さな塾だと、どんなに効率的に合格させても、大手の宣伝力とかには絶対勝てないが、大手では受からせることができない子供を、伸ばす技術は持っているとおもっている。基礎を短期間で作らないと浮上しない。これは、大手ではできにくい。人が多すぎて手が回らないし、基礎は自分でやれという形になっているからだ。基礎を作るのがいちばんむつかしい。

田舎から都会に出れば受かるような気になるのはわかる。でもそこに落とし穴がある。大学生気分で遊んでしまったりする子もいる。そういうのはいっぱい知っている。

誰でも大手に行けば伸びるという幻想は捨てたほうがいい。何かの間違いか、もう少しで受かりそうな人は大手に行ってハイレベルで競うほうがいいだろう。

そうでない人は、よく考えて選択しないと時間と金の無駄になる可能性が高い。でもそっちのほうが田舎の子に多いのが、実態に近いのではないだろうか。