積み重ね

塾は小学生から教えている。実際、高校生や浪人の面倒を見る塾は田舎は少ない。だから、高校生や浪人の比率が高くなる。大学受験でも高3になって入ってくる子も多い。

高3から入っても、急激に伸びる子もいるし、受かる子もいる。だから,席があるうちは、合格は保証できないけどという条件で教えることにしている。

しかし、高3しかも国立狙いで、学校の拘束時間があるのに,簡単にはいかない。簡単にいかない理由は、二つある。

ひとつは量が多い。高校の範囲と中学の範囲の学習量は、違いすぎる。英単語など、何倍いや何十倍というほど覚えるべき量が違うのだ。高校の英語をやっていて、中学やるとあれっと思う。これは、指導者なら分かるだろう。理科や社会も細かく覚える量が相当違う。基礎を入れ込まないといけない量が違う。パソコンを使っても、苦しい。ましてや使わないとなると問題演習で対応するしか手がない。

もうひとつは、自分なりの思考の習慣がついている。暗記のくせがついていたり、自分なりのやり方を変えようとしないことが多い。中には、驚くほど柔軟にこっちの指導に素直に従ってくれる人がいる。こういう人は、短期間でも急に伸びだす。やることが早い。

あまりにも準備が遅すぎる人が、この地区は多い気がする。高3の夏過ぎてから、センターなら200点くらい短期間で学力を上げなければならない状況で、塾に来ることが多い。おかげで鍛えられて、短期間でも学力を上げる確率の高いシステムの開発ができそうだ。これには、感謝したい。都会で、やっていたら、スーパーイーグルの開発は、やらなかったかもしれない。地域格差を特別なやり方でどうしたらうずめたらいいかずっと考えてきた。短期で仕上げるには、パソコンを使わないとかなり苦しいと思う。

都会と地方は、センターの平均見れば分かるが、100点から150点の差がある。これは、小学校時代の基礎力の差と思考力養成の差が大きいと思う。

旧帝大とか医学部というレベルの大学に入るとすれば、小学校4年からはしっかり計画立てて準備しておいたほうがいいと思う。塾生でこういうレベルの大学に入った子は、小学から遅くても中学1年くらいから、塾に来ていた。

塾だから言っているのではない。素質のある程度あるとあると思う子は、小4からはしっかり指導してくれる塾、中学入試の問題を演習させてくれる塾に行ったほうがいいと思う。親が指導できればそれでいいが、親子喧嘩の原因になることが多い。

思考力、特に粘って考える力は、小学時代に身に着けておいたほうがいい。これは、大きな学習財産になる。公教育で、身につくのはかなりむつかしい。思考力も鍛えないと自然発生的に,育つとは思えない。中学受験指導塾で鍛えられた子は、思考力が違う。弊害はあるにはあるが、現実には大学受験と直結する。特に算数は、大きな差がつく。自分の塾でなくても、知り合いには中学受験専門塾を薦めたりすることがある。

難関大特に国立理系とかみんな行きたいような大学は、10年くらいの親と子の努力の積み重ねの上にあるということだと思う。マラソンと似たようなところがある。いきなり30キロ地点から参戦するのは、できないだろう。

積み重ねの力は、大きい。