早稲田特待

自分も塾を長くやっているが、早稲田に特待制度があるのをこのごろ知ったし、そういう人がいるのかすら興味がなかった。そんな人めったにいないだろうぐらいにしか思わないし、受験で受からせるだけでも大変なことで、関心ごとは受かりそうもない人をどう合格させるのかに毎日のエネルギーを使う。

高認つまり大検の子が、早稲田の特待で受かったのを母親から聞いたのだ。一年半塾に通った。伸びた子は、たくさんいるが、偏差値が40から80越えした子は初めてだった。40以上偏差値が上がった。一科目だけではない。最初は,仏教大が第一志望だった。目標は高く持ったほうがいいとこっちから薦めた。本人無茶すぎると言っていた。伸びそうな子は、話すと分かる。

なぜ不登校になったかは、学校の多くの生徒が宿題をお互いに見せ合うのに、疑問を感じたことと、学習の学校の進め方に疑問を持ったことが大きい。理屈っぽく理論派でこだわりがあった。

中学からやり直した。特に英語は、ほとんど0に近かった。基礎を固め、教材をパソコンで何度も繰り返して基礎から、応用そして実践に向かわせた。段階的に効率よく、忘れちゃ繰り返しの連続だった。最初塾にも足を運ぼうとしなかった。少しずつ、学習のやり方説明して、伸びだしたら素直に聞くようになった。

ある程度まで伸びると壁がくる。その壁一つ一つをどうすれば良いのか、こっちに聞いてくる。こっちもアドバイスをしながら,山の壁をよじ登っていったという気がする。

最後になると過去問をコピーして、何度も解いていった。スピードがついた。これなら受かるだろうと思っていた、母親が、ホテルで解くスピード見て驚いたと言う。解いた問題量、スピードともに、ふつうの人間では勝てないレベルになっていると思った。本人のがんばりはたいしたものだった。やり方がわからないとやる気も出ない。伸びるからがんばれる。不登校のような子が、化けると伸びがすごいことがある。

受験合格にはコツがある。塾生指導から、いや塾生から伸びる方法を教えてもらったと言える。経験でつかんだものは大きい。内容だけ教えて、伸びるのはほんの初期段階だと思う。効率よく最後は、子供が自分で学習しなければ大きく伸びないと思う。

どこで学習したから伸びるという保証はない。学習のレベルや理解度は一人一人違う。よく大手に行って伸びず、何年かしてこっちに戻ってくる子がいる。基礎のいれこみが一番大切で、一番きつくてむつかしい。これをはっきり分かった指導者に指導してもらわないとなかなか伸びないのではないかと思う。基礎が一番。あと過去問。反復。シンプルにやったほうが結果は出やすい。

やり方とやる気で子供は、激変することがある。方向性を示すのが、指導者の役目だと思う。