一番成績の上がった生徒

長く塾をやっていると、あまり成績の変わらない生徒、急激に上がった生徒いろいろです。特に、授業形態の場合上げるのに苦労しました。授業は、一番面白いのは確かですが、クラスわけをしても、理解度、科目間のバランス、学校の進度などさまざまで、中学生の成績を上げるためには、週3回でもかなり苦しみました。個別指導は、一人ひとりの学力を正確に把握するにはいいのですが、知識を入れるつまりインプットの効率が悪いのです。理解度の低い生徒の場合、家庭教師でないとまともな指導は、できません。つきっきりになり、ほかの生徒に目が届きません。月謝も、田舎なので上げられません。いろいろ考えました。インプットもアウトプットもでき、全員の成績を上げられる方法は,ないものかと。テープに解説を入れ、ダビングして生徒に聞かす。しかも早聞きの機械も買い、手始めに中3の入試対策を5科目つくり,入塾したばかりのk君に使ってもらいました。彼は、マンモス校の中3。10月です。400人中320番。3者面談では、県立は無理なので、私立の専願を薦められていました。おとうさんが、県立の普通科に入れたかったので、他の塾にはずっと行っていました。しかし、一度も300番を出たことがなく、私の塾に来たのです。正直、成績と志望校を聞いたとき、後5ヶ月しかないので毎日来ても無理かもと思いましたが、解説を3回は聞く。問題演習の解説をきいて分からなければ必ず質問をする約束をさせ毎日学校が終わったら、塾に来てもらいました。1年分野から全部テープで復習しました。とにかく素直な子でした。すると、試験の度に100番ぐらいずつ上がり、ついに最後のテストでは、52番までなりました。先生がカンニングしているのではないかと彼の周りをうろうろするようになったと言います。最後に彼が言うには、試験がなくなってさびしい。今度は、10番内を目指すのにと言いました。彼が、県立普通科に合格したら、学校中でうわさになった言います。子供のやる気と適切な指導が合体すれば、子供には不可能はないとおもいました。