出会った天才

高校時代、私が三年のとき同じ下宿に、西山君と言う一年生がはいってきました。私の担任の先生が、下宿に来た時に、この下宿に入試の数学で、10年ぶりで満点取ったのが入ってくると言うのです。初めて彼を見たとき皇太子にちょっと似ているなと思った程度で、特に才気ばしった感じを受けませんでした。君は数学満点だったらしいよ。簡単だったのと聞くと、簡単だったと言うのです。今は、ラサールの数学の問題は簡単になっていますが、当時の問題で満点取るのは簡単なはずがありません。君は、今数学の何をしているのと聞くと、高校数学全部終わったので何をしていいのか悩んでいるが、Z会という通信添削で一番難しいのをしていると言うのです。私もやっていたので見るとなんと全国で一番上に載っていたのです。中学2年で終わり、モノグラフと言う26冊もあるのをやったと言うのです。私が分からない問題を持っていくと信じられないスピードで解きます。そろばんもやっていて5桁の暗算もできるのです。彼にわざと難しい問題を持っていくと時間がかかるときもありましたが、全部解きます。脳みそのつくりが違う俺はなんて馬鹿なんだろうと思いました。風の便りでは、東大入試で時間が余ったらしい。いろんな頭のいい人間見ましたが、彼のような驚くほどの天才は、二度とお目にかかることはないでしょう。