「共通テスト」の疑問点

「センター試験」は年明けの1月で最後になり、2021年からは「共通テスト」になることに

なっています。

英語の民間試験が延期されるなど混乱が続いているようですが、「素朴な」疑問点を列記したいと

思います。

 

(1)なぜ、英語のみ4技能を求めるのか

  いわゆる4技能(読む、聞く、話す、書く)が重要であることはそのとおりだと思いますが、

  これは、国語でも同じことでしょう。ちなみに、記述式の設問にも漢字の書き取りはないのです。

  さらに、他の外国語(ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語)にはリスニングすらありません。

  また、理科では実験をすることが重要になりますが、「実験をする」ことを入試では問われて

  いないわけです。

  とすれば、英語のみ特別扱いすることが特異である気がします。

 

(2)なぜ、英語のみ民間試験を利用するのか

  「民間試験の結果を参考にして、学力を判定する」という考え方はありうると思います。

  ただ、民間試験があるのは英語だけではありません。

  同様な利用ができそうなものとしては、「実用数学技能検定」「歴史能力検定」

  「情報処理技術者試験」「日商簿記検定」などがあります。

  これらの試験は、すでに大学によっては出願条件や点数加算の条件になっていたりします。

  また、「情報処理技術者試験」は経済産業大臣名義で合格証が出されるなど、

  他の試験より格上のものです。

  とすれば、英語のみ民間試験を利用することが特異である気がします。

 

(3)なぜ、記述式を導入するのか

  現在のシステムでは国公立の志願者はセンター試験受験後にいわゆる「二次試験」を

  受験することになっています。(例外もあります。)

  国公立の二次試験は記述式であることがほとんどですので、共通テストで記述力を

  見る必要はないわけです。

  このことは、11月15日放送のTBS「ひるおび」で恵俊彰さんが指摘していたことでもあります。

  記述力が必要だということであれば、文部科学省がするべきことは、

  私立大学を含めた全大学に「二次試験で記述力を見ること」を徹底させることでは

  ないでしょうか。