謙虚さと己を知ること

高3の子で努力家がいる。誰よりもはやく、塾に来て、一番遅くに塾を出る。

塾には、中三までいた。入試前までいたが、高1になったら塾をやめた、 高2になったら、成績が悪くなってまた塾に来た.部活をやっていたが、このままではどうしようもないと思ったらしい。

1年以上のブランクは大きかった。 基礎が完璧に抜け落ちていた。成績はドベにちかかった。中3の時には、そこまで悪くはなかった。

1年以上やった割りには伸びない。何で伸びないのかこっちも悩んだ。

本人が言うには、自分は読解力がない、人より理解力が乏しいと思うと言った。その分努力をしないと伸びないのが分かっていると言った。

彼には悪いが、どうして伸びないのかふしぎだった。

ところが高3の今の時期になってから、急に伸び出した。ドベ誓い成績から、普通科のトップクラスの真ん中位まで成績が伸びた。模擬試験の成績で、偏差値が60近くまで伸びてきた。

普通科の下のクラスでは、1番。

努力の蓄積が、開花し始めたのだ。 その子が言うには、学校に行っているだけでは、自分のような理解力が乏しい人は、浮上できない。塾の言うように、基礎の繰り返し、過去問の繰り返し、解説をしっかり聞いて反復しないと伸びないだろうと言った。

高3の9月からは、その子がどのような学習をしてきたかが、もろに出てくる。 基礎を入れ込んで問題を解く。そして反復して理解する。この王道に乗って無いと凡人は、ていくう飛行のままだ。

その子は、模擬試験も伸びてきた。友達から、何でそんなにできるようになったんだと言われるらしい。 いろんな塾に行っていても伸びない子が多いとその子が言った。中学生ならまだしも、高校分野は広くて深い。根本的な学習法の見直しが必要だ。

高3の後半で伸びだす。これは、すばらしいことだ。 その子が、自分のような理解力の乏しい子は、基礎を繰り返す、過去問を繰り返すしかない。と言った。 自分をしっかり把握し、謙虚に努力する。この姿勢がすばらしい。

彼を見ていると、自分も謙虚であることが大事だと思う。子供から、学ぶ。 理解力が優れている子が、できるのは当たり前だろう。でもそうでない子が伸びていく過程は価値ある学びの世界で、貴重なものだ。

謙虚であること素直であること。これは、子どもだけの話ではないと思う。

頑固でプライドが高いと進歩が少ない。自信とうぬぼれは、違う。

謙虚さは、自分を助ける。

子どもから教えられることも多い。