間違いを直す “くせ“ があったなら…<(`^´)>!?

 こんな “くせ”があったら、と思う。

 学習に関する“良いくせ“。

これが2つ思い浮かんだ。そのひとつについて書いてみたい。それは“間違いを直す‘‘ という癖。

 

 知人に、こんなこだわりを持った人がいた。どんなこだわりかというと “間違えを必ず直す“ ということ。私自身は学生の頃「間違えた問題やり直さなきゃ」と思っても先延ばしにしてしまう癖があり、かなりの問題がそのまんまである。それで今となっては、かなり後悔している。

 だが、こんな人がいた。ここに、その間違いを直すのが ‘‘癖‘‘ であった人の話をしよう。

 

 テストや宿題プリント、授業中の教科書問題。

その人は、その日のうちに徹底的に直すというこだわりがあった。

「じゃないと、遊べない・・・」そのままでは気が済まないのだ。

 

 問題のミスは誰にでもある。修正していく人がいれば、そのままの人もいる。

こだわりをもつその人は、まずは自分でやり直してみる。そしてわからなければ、どんどん誰にでも聞いていく。

最初は学校の先生に聞いた。先生がいなかったら友達。部活のメンバー。帰って、お母さん、お父さんに聞く(わからないかもしれないけれどとりあえず聞いてみる!)兄ちゃんに聞く。それでもわからない時は、もう一人の自宅外の兄ちゃんまで及んでいた。

 

そうして必ずその日のうちに解決するのが、その子の「こだわり」。それは、小学校のときからだった。

その子のこだわりは、一つの ‘‘くせ‘‘ とも言えると思った。

 

 その後、中学校、高校へと進学。毎日そのように自分のこだわりを持ち続けると、どうなったか?

 

 それはその人が高校1年の時の話になる。

今度は “人からどんどん聞かれる存在“ になっていた。みんなが聞いてくるので、より一層、勉強が忙しくなった。人に教えるには、分かりやすく説明しなければならないから、だんだんと自分の理解が深まった。そのうち友人からは「先生より解る」とも言われだし、急な自習になったときは代わりの先生のような存在となった。先生が質問攻めになったら先生の”猫の手”として頼もしい存在であった。

 

 人から頼られ、自分のこと以外でも相当忙しくなっていく。そうした中、人気も出て、体育祭では団長になった。部活は吹奏楽の部長。

忙しいけれど余暇も気晴らしも大いにやっていた。毎週2回は、お父さんと体育館でバドミントンをする日と決まっていた。大好きな地区の祭りにもできるだけ参加した。

 そんな慌ただしい生活が続き、高校3年、進学を考えるときになった。

 

 出される問題に関して、ほぼ解ける、というか解けない問題がなくなっていったという。だからその人にとっては難関大学と呼ばれている大学もなくなった。

 すると、先生たちが、入れ替わり立ち替わり、大学を紹介してきた。

 

東大、慶応、お茶ノ水・・・・・こんな大学あんな大学もあると。

 

しかし、本人はいつも笑顔でこう言った。

「〇〇大学に、家から通います」 

〇〇大学とは、家からいちばん近くにある、目的に合った大学だった。誰が何度勧めても、

「〇〇大学に、家から通うと決めています」

「夢は、もう小学校時代から決まっています」

と繰り返す日々だったそうだ。それでも先生たちは尋ねてきた。家族はといえば、本人の夢を応援し、楽しみにしていた。

先生たちにしては、いろいろ考えて勧めてくださったのだが、変えようとはしなかった。未来への楽しい問答は、しばらく続いたそうだ。

 

 いよいよ大学受験。

10歳で決めていた大学を受験。合格。晴れて入学した。

そして3年勉学ののち、試験を受けた。それは、教職員採用試験。採用はとても厳しいものであったが、1次、2次、面接と次々とパスしていった。

 見事合格を果たした。念願の「小学校の先生」になることができたのだ。小さいころからの夢が、叶った。

 

 「完璧に問題が解けるなんていいな」

と考える人もいると思う。それは特殊な能力があるか、または、家系がすごいのでは・・とも。

しかし、代々難関大学卒などということはなかった。ごく一般的な、仲良しの家族であった。間違いを直すこだわりは、その人だけが持つものだった。

 夢を叶えたポイントを挙げてみる。 それは3つ。

   ① 一つの問題を大切に、気の済むまでクリアにしていったこと

   ② 自分自身の夢があって、はっきりと描いていたこと

   ③ 家族が笑顔で応援し、みんなで楽しんでいたこと  

ではないかと思える。

 

‘‘解らないところをそのままにしない‘‘という毎日の小さなこだわりの連続で、自然と、どんな学校にも合格できるような力が備わったのではないだろうか。それが夢への大きな関門である採用試験には一回で合格、という最高のステップとなった。

 

 最後は輝かしいけれど、小さなやり直しは、やはり慣れないうちは「めんどうなこと」でもある。毎日やるか、あとでまとめてやるか、考える。

だけど面倒な直しも続けてやっていくうちに、なぜだか、どこかで楽しさやおもしろさに変化するのかもしれない。

①と②は、難しいことではない。ちょっとだけ頑張れば、誰でも踏める一歩だと思う。

行きたい大学、なりたい職業、将来を選択できる人になるために、小さいうちから、これを「くせ」として身につけたらよさそうだ。

 

 もうひとつの”良い癖”。今度は夢がずっと決まらなかった人が毎日こだわったことと、その結末は!?また次回に☆

 

 

追記:

※ その人は現在、自分の夢を応援してくれた家族や友人に感謝しながら、県内の小学校で働いています。

※ 塾の関係者、生徒ではありません。また筆者本人又はその家族ではありません。